NEWSLETTER—MARCH 2015

 

「私たちの未来にあるもの・・・開かれた、まだ形のない、羽根のように軽やかな自由」

Message from Mr. Russell Ellwanger—TowerJazz CEO & TPSCo Chairman

“What could and should be done with all the time that lies ahead of us…”
– Pascal Mercier

「未来・・・それは開かれていてまだ形はない。そこで我々を待つものは、羽根のように軽やかな自由でもあり、鉛のように重い不確かさでもある。そんな未来に対し、我々ができること、すべきことはいったい何であろうか?」これは、パスカル・メルシエの小説『リスボンへの夜行列車』からの一節です。この問いは、いやおうなく私にのしかかりました。

この言葉のなかで、「我々ができること、すべきことは何か」という思考は、血液のように私の体をめぐり、私という存在に活力を与えます。しかし、「鉛のように重い不確かさ」という表現は、未来に不吉な影を落とします。確かに、未来というものはまだ形のないもので、あらゆる可能性を秘めています。それゆえ、私たちの未来には羽根のように軽やかな自由が待ち受けており、それが個人の人生においても集団としても私たちに大きな刺激を与え、より卓越したものを追及する原動力にもなるのです。

しかしながら、「不確かさ」のくだりは真実として同意できません。未来は決して「鉛のように重い不確実」なものである必要はないからです。適切な知識、スキルおよび(毅然とした)態度(knowledge、skills、attitude、KSA)を持つ人であれば、他者の目には達成不可能な夢としか映らないことも実現することができます。

そして、このKSAからなる能力を高めていくためには、物腰や態度が素晴らしく、自分に足りない知識とスキルを持っている他者とパートナーを組むことが重要です。企業でいえば、大切なお客様やサプライヤーとの真のパートナーシップこそが、お互いを補完しあう理想的な関係と言えるでしょう。

エレノア・ルーズベルトは言います。「もし人生が予測可能であったら、それはもはや人生とはいえず、味気のないものになってしまうでしょう」と。どんなに優れた人でもすべてを予測することはできません。その代わり、KSAのある人は、失敗でさえ未来を実現するためのものと捉え、あらゆる瞬間を「羽根のように軽やかな自由」の新たな始まりと考えます。そうすれば、過去の成功の上にさらなる成功を積み上げ、挫折の経験をより大きな成果につなげることができます。

それは失敗ではなく、教訓であり成長なのです。

そのような人々や企業にとっては、未来が不確かであることは、羽根のように軽やかな自由に「新たな1日」というスパイスを加えるようなものであり、それを「鉛のように重い」と感じることは決してありません。

お客様とサプライヤーが、他社がやろうとしないことを成し遂げるために当社をパートナーとして選んでくださるだけの知識とスキル、態度を持ち合わせた企業になること。これはタワージャズに与えられた道なのです。この旅路を共にしてくださることに、感謝しています。

ラッセル・エルワンガー

タワージャズCEO
TPSCo会長